堀 達哉さん(RACDA高岡県外会員;岐阜未来研究団代表)

「地元の人たちための、暮らし方講座」の面がパワーアップして盛り込まれていますね

 「戸出」地区は、北陸新幹線の新駅周辺である「二塚」地区同様、新幹線ができたときに影響が出ると思われる土地だと、島会長から事前に伺っていた。クルマ社会化が「新幹線の便利さに載せて人まで流出していかないように」とか「新幹線駅にクルマで直接乗りつける雰囲気が出来ないように」と願う人たちがどの程度いらっしゃるのか。そして、そういったことに興味を抱かない人々の、そういった問題提起に対する反応がどうなのか。岐阜での路面電車存続をかけた状況に照らして、気になるなかでおじゃました。

 戸出地区は、昭和30年代までは戸出町という高岡市の隣町だったと聞いた。自主独立の気風もあるのだそうで、高岡市は高岡市、戸出町は戸出町、という考えに根ざして、自らの町の個性をはぐくんでこられた跡が、なにげない町並みにも現れているようだった。駅を降りると、とても歩いて暮らしやすそうな空間が広がっていたのである。そんななか、武山先生が最初にみなさんに見せたバイパスの郊外ロードサイド店の風景に合わせた「この風景をわが町の顔にできますか?」の問いかけは、冒頭の発言として、きわめて効果的だったはずである。(ほかにも「利用者減のスパイラル」の画像を示しながらの説明は、その図から人が全くいなくなったときの「黒い細線と白地のみ」の画像の寂寥感が、とても効果的で、武山先生ワールドに引き込まれました)

 弁士であるお二人の先生が事前に地元の取材を済ませていることで、わが町の問題として聴衆を引き付けていること、30年住んでいても外来の人は「旅の人」と呼ばれて区別される土地柄にあって弁士のお二人ともが関西、関東出身にも拘らず地元の人たちが熱心に聞き入っていた点、などがとにかく印象に残った。また、島会長の路面電車を活かした都市づくりに関する息の長い情熱と、藤重さん、大井さん以下の地元RACDAメンバーによる温かい手作りムードづくりが、力強い裏支えとなっていると感じた。

 高岡に向けて発つ前に考えていた「新幹線の便利さに乗せて人まで流出していかないように」「新幹線駅にクルマで直接乗り付ける雰囲気が出来ないように」という観点よりも、もうすこし暮らしより、というか「地域で楽しく暮らすための交通のありかた」や、「気軽にお出かけできることの大切さ」を軸にして訴えていた点が、以前お邪魔したRACDAキャラバン以来の変わらない観点として存在していたことを思い返している。しかも、多くのメンバーと新しいアイディアを盛り込んでそれらが訴えられていた。変わらないそのまなざしの大切さを改めて感じている。

 余談に近いが、戸出地区のみなさんとRACDA高岡のみなさんとの親交の程度を理解していないが、こうやってお話に出かけられる状況があるから、RACDA高岡のみなさんの「まちづくり団体」としての信頼度は高いのだなあ、と感じる次第である。





前へ 次へ
トップページへ戻る