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■雨晴『女岩』の調査をテーマに写真展を開催中

◆ところ 自然資料館(古城公園動物園内
◆と き 7月13日(火)〜8月15日(日) 午前9時〜午後4時30分
月曜日休館(祝日の場合翌日)

【概  要】
 二上山総合調査研究会の最近の調査状況と成果の一部を写真で報告します。
 今回は雨晴海岸の『女岩』の調査をテーマに15点の写真を展示しました。.
『女岩(めいわ)』は能登半島国定公園雨晴海岸にあって、その景観は古くか.ら有名です。また、付近一帯には太田石(または岩崎石)という石材の採石場がありました。普段は、海岸からおよそ50メートル離れている岩礁ですが、冬季には一時期砂州(さす)で繋がることが知られでいます。
 昨年2月から3回にわたり、考古班と地学班が中心になって合同調査を行いました。とくに昨年秋には島の補強工事が中の11月2日に、工事用の足場を利用させていただき、島の上部まで調査ができました。その結果いくつかの新しい発見がありました。
 考古班では、以前からここが守山城や高岡城の石材採掘地の一つと考えてきましたが、それを示す矢穴(やあな)が残った転石をいくつも見つげたほか、珍しい礫経石(れききょうせき)を発見しました。
 地学班では女岩の高さを簡易測量して約11.35メートルあることが分かりました。また、現地で採集した試料の詳しい室内研究を続け、女岩の砂岩から貝やウニの化石片のほか有孔虫や珪藻などの微化石を発見しました。
 ほかに継続中の研究もありますが、現在までにわかったことを調査風景と併せて今回報告します。

1 女岩の調査始まる [地学班  菊川 茂・邑本 順亮]
 二上山総合調査の一環として、平成15年2月22日に初めて女岩の調査を行った。考古班と地学班役0人が歩いて島に渡り、日頃は目にすることのない北側一帯を回り、調査を始めた。

2 陸繋島となった冬の女岩 [地学班  邑本 順亮]
 毎年1月中旬頃から3月下旬にかけて水位が下がるのに加えて日中に満潮を迎えることが多く、島まで砂浜続きとなり、歩いて渡れるようになる。このような状態を陸繋島(りくけいとう)という。

3 足場を利用して頂上まで [地学班  邑本 順亮]
 女岩の補強工事中の平成15年11月2日、工事用に組まれた足場を利用させてもらって、平生は登れない女岩の頂上まで調査ができた。この日、一行は舟で島に渡った。

4 女岩の標高調査 [地学班  邑本 順亮]
 頂上まで上れた機会に、女岩の海抜高度を測量した。工事用の基準点(ベンチマーク)を利用し測量用のポールを使って測量した結果、約11.35mという値を得た。

5 女岩の北側露頭調査 [地学班  邑本 順亮]
 女岩は義経岩などと同じ雨晴砂岩層。硬い部分は太田石・岩崎石の名で知られ、同質の石材は守山城や高岡城の石垣中にも見れらる。この左岸ができた時の年代や環境の解明を進めている。

6 女岩の古い絵はがき [地学班 太知 誠]
 古い絵はがきで、下には「義経雨晴出島」さらに「デジマ、ヨシツネ、アメハレ」とローマ字併記。沖には帆船が見える。頂上には松が生え茂っている。昭和初期のものか。(絵はがきは太田小学校所蔵)

7 女岩の矢穴 [考古班 西井 籠儀・宮田 進一・大野 究]
 女岩の周辺には矢穴を穿った岩が8か所にあった。いずれも海面近くにあり、割りとった石を筏で運びやすくしたのであろう。

8 矢穴の特徴 [考古班 西井 籠儀・宮田 進一・大野 究]
 矢穴は石目(層理)に沿って長方形の孔を一列に彫り込んだもので、孔に楔(くさび)を打ち込み、岩から石を割りとっている。

9 矢穴の実測作業 [地学班 邑本 順亮・考古班 西井 籠儀]
 女岩の回りで見つけた矢穴の実測作業。矢穴の大きさは時代によっても違いがあるらしい。考古班は丹念に測定して実測図を仕上げた。女岩で矢穴がある石は海面近くに多い。

10 女岩の礫経石 [考古班 西井 籠儀・宮田 進一・大野 究]
 赤褐色に塗った小礫に『如』と書かれている。経文の一文字を墨書したもの。一字一石経ともいい、江戸時代に例が多い。島に頂上にあった礫石経塚からくずれ落ちたものか。女岩の頂上下3mで採集。

11 岩の割れ目から出た貝殻 [考古班 西井 籠儀・地学班 太知 誠・邑本 順亮]
 女岩の高さ4.8m付近で岩の割れ目にこびりついたイボニシ(巻貝)と、ほかに割れ目に入ったヤマトシジミなど貝殻片4点を採集。現在貝殻の年代測定を依頼中。

12 貝の生痕 [地学班 邑本 順亮]
 動物の足跡や巣穴など生活の痕跡の化石を生痕という。女岩の岩には無数に穴が開いたところがある。穿孔貝(穴堀り貝)の住家で波打ち際に多い。過去の海面高度を知る手掛かりになる。

13 女岩の化石(貝とウニ) [地学班 邑本 順亮]
 岩礁のいくぶん軟弱なところに貝殻やウニの破片が化石となって残っている。白っぽいのがサンショウウニの化石(A)、黒っぽく見えるのがホタテガイ(B)。
〔接写・拡大〕                    

14 珪藻化石と海綿の骨針 [地学班 邑本 順亮]
 女岩の岩石の一部を砕き塩酸で溶かし、残った泥を顕微鏡で調べたところ、珪藻化石(A〜C)と珪質海綿の骨針(D)が見つかった。写真は実物の約2,500倍の顕微鏡写真を組み合わせたもの。

15 女岩の有孔虫化石 [地学班 亀遊 壽之]
 砂岩の硬い部分をけずって作ったプレパラートの偏光顕微鏡写真。砂粒に混じって有孔虫(海生動物ブランクトン)の殻の化石が見つかった。(岩石プレパラートの作成と写真撮影は、富山市科学文化センター赤羽久忠氏)

◆会場の様子    
会場の様子1 会場の様子2 会場の様子3
邑本会長による
説明会(7月13日)の様子1
邑本会長による
説明会(7月13日)の様子2
邑本会長による
説明会(7月13日)の様子3