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 民俗班 中葉博文

第4回二上山探究講座資料
二上山地域の地名について

 
地名探訪の楽しみは、現地での景観を見ながら地図とのにらめっこ!

(1) 地名とは何か。→ 土地の名称 = 地名

地名には、地形の状態など自然そのままの様子から命名した地名が非常に多い。
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地名の命名は、下から上。(上から下はあまり見られない。)

地名は日常生活に不可欠な、たいへん身近で具体的な言葉の一つである。おそらく人が言葉を使うようになった時から地名は存在したと思われる。

地名はも生き物である。
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河川の氾濫などによって急に地形が変化することもある。また、河川の浸食作用によって除々に地形が変化することもあった。そこに人間の開発が加われば新しい地名が生まれる可能性がある。
  
(2) 地域内の主な地名 → 地名探訪でのヒント

1.二上山 『万葉集』に見える古代地名(万葉地名)二上山は「皇神の山」として神格化され人々の信仰の山、人々に精神的な安らぎを与える山。二つの峰より命名された山。又峰(東峰273m、西峰259m)→ 遠望地名
2.守山 もと山守部を置いたところから守山と命名されたという(『越中志徴』)。
3.守護町 守護とは、源頼朝が鎌倉幕府を開いた時、全国各地に守護・地頭を設置した。守護は、現在で言う県知事・裁判長・警察署長のような役割。設置当時は、源義経と平家の残党を成敗するためのものであった。守護町内のある「館」に由来か。守護居館の地か。
4.海老坂 エビの形の台地や丘陵。地形の割れ目。台地と台地の峠。
5.西田 サイ・デンの転。サイ(サキ、サヒ)・タという地名か。西方の田。
6.太田 大きい田。オホ(大)・タ(処)で、重要な所の意か。
7.雨晴 雨を晴らす。
8.国分浜 令制で、国ごとに置かれた地方政庁の国衙の所在に由来する。聖武天皇の天平13年、詔により諸国に造営された国分寺、国分尼寺に因む地名か。
9.小矢部川 旧石動町の小矢部の地名によるともいう。隣の福岡町にも矢部という地名があるかっての矢作部に関連するものか。

(3)地名の語源

1.ヤマ 高く凸起した所。語源はイヤ(弥)・マ(間)か。森林、林。山の幸のある所。耕作地。畑、耕地。暗礁。海で魚の獲れる位置。墓場。火葬場。山車。 
2.オ 接頭語、ヲ(小)で「小」「細」の意、または「語調をやわらげる」働きをするか。接頭語、オ(御)で「敬意」を表す。ヲ(峰・丘)で「陸、高み、峰、連峰」の意。ヲカ(岡・「峰処」)のヲ。山の背、山稜。ヲ(尾)で山裾の末端をいう。ヲ(芋)で、アサ(麻)の古名。オホ(大)の略。
3.シマ 周囲が水に囲まれた陸地。半島など「島状の地」をもいうか。暗礁。磯。海中の砂地。川に臨んでいる州。河道中の島地。河の合流点の州をいう場合もある。川の曲がり目や川端の低地などにできた耕地。村落の意。村中の小区画。ある一区画をなした土地。
4.タケ 山。高山。高所。川の上流。信仰と関係のある山の称。ダケと同じく崖など崩形地形・浸食地形をいうか。建部に因む地名。イネ科の植物タケ(竹)の植生による地名か。竹製品の製造・販売に関係する地名か。松竹梅に因む瑞祥地名か。
5.ハケ 崖。山の斜面のくずれた所。急傾斜の地。丘陵山地の片岸。樹木のない山。
6.ノ 野原(山に対する)。荒野(人里に対して)。田畑(人家に対していうか。)緩傾斜地。放牧場。草むら。墓地。入会地の草刈り場。ヌの転で「沼」あるいは「湿地」をいうか。
7.ハラ ヒロ(広)、またヒラ(平)の義。広い平野。ハラ(開)の義。開墾地。林。神聖な地という意。場所。集落地。山腹。
8.ヤチ ヤ・ヤト・ヤツ・ヤタと同じの「低湿地」の意。深田。草むら。
9.タニ 谷。山と山の間。語源はタリ(垂)の義。谷底などの平地をさす名称。渓谷。水のある谷。溝。信州では盆地。
10.タン 台地。タナ(棚)の転で「段丘」などをいうか。タニ(谷)の転。タミ・タムの転で「たわんだ地形」をいう場合もある。
11.ダイラ 山頂または中腹の平らな場所。山の中腹から麓のあたり。
12.ヒラ 崖。傾斜地。斜面。山の中腹。山腹。坂。山の一部が平らになっている所。台地。平地。平面の地。平原。
13.セ 川や海の浅い所。浅瀬。急流。海中の岩。暗礁。山の峰。山の側稜。物の背中のように上になっている所。山の背。セ(狹)で「せまい状態、せまい所」。セ(畝)で地積の単位。セ(稲)を示す複合語の語尾として用いられるワセ(早稲)。
14.クリ・グリ 海底の岩穴。崖の意。濃いし。川の曲流。海底によどむ黒土の意。ブナ科の落葉高木のクリ(栗)に因む地名か。
15.イワ わき。そば。きわ。崖。尾根のくぼんだ所。クワ科クワ属の植物クハ(桑)に因む地名。
16.ハエ・バエ 南。風南。岩礁。暗礁。林。森・森林。小平地。傾斜地。山腹のやや平らな所。
17.ハナ・バナ 端。先端。岬。植物の花に因むか。ハナレ(離)の意のものもあるか。
18.ドウ 「堂」で仏堂のあった所。川音による音響地名。川の深い淵。ため池。水のない谷間。ドブに通じ「湿地」をいう場合もある。
19.サンマイ 火葬場。仏語「三昧場」の略。墓地。墓場。「田の神」をいうサンバイの転か。
20.インナイ 寺院の雑役に従事した住民の居住地。イリナイ(狹い場所か。)
21.ミヤ 語源はミ(御)・ヤ(屋)。神のいる所。神社。天皇の住む御殿。御所。神社に供された地、神領も含むか。
  (『地名用語語源辞典』東京堂出版より抜粋。)