開会の挨拶   二上山総合調査研究会会長 邑本 順亮

二上山総合調査研究会会長
邑本 順亮(むらもと じゅんりょう)
●PROFILE
昭和9年高岡市生まれ。金沢大学理学部地学科卒業。専門は地質学、古生物学。富山県埋蔵文化財センター所長、公立中学校長を経て、現在、高岡市文化財審議会委員、高岡水濠研究会代表などをつとめる。

 二上山総合調査研究会の会長を仰せつかっております邑本です。今日の「二上山を考える市民フォーラム」の開会にあたり、一言ご挨拶させていただきたいと思います。
  本日は、日曜日ということでいろいろとご多用の中を、このように大勢ご参加をいただきまして、ありがとうございます。
  さて、市民の熱い期待を担って、二上山の総合調査研究事業が高岡市で今年度から始まり、その研究母体として、二上山総合調査研究会が発足しました。8月に組織づくりができ、ようやく今、動き出したところですが、この間8月、9月と現地を実際に歩く探究講座も実施してまいりました。そして、今日、二上山のことをいろいろな角度から一緒に考えてみようというフ ォーラムを開催することになったわけです。本来なら、研究会の研究成果をもとにフォーラムを開催すべきところかもしれませんが、まだ動き出したばかりで、成果をお話しするほど研究が深まっておりません。本日は研究会発足にあたっての記念のフォーラムとして、これから進めさせていただくことになるわけです。
 二上山地域のことを何か知りたいときに、この本を開けばいろいろなことがわかるというもの、この地域のことをまとめた一冊は、実はできていないのが現状です。ただ、小学校や中学校の先生方、そして地域の有識者の皆様方が、小学校・中学校単位でいくつかのものを発刊しておられます。例えば、古くは昭和48年に、太田小学校創校100周年記念として『太田−歴史と風土−』という本が出ています。石造物や歴史のこと、自然のこと、いろいろ非常に細かく調べてまとめられています。あるいは、『二上の歴史』という本が、二上、守山の両小学校が合併 して万葉小学校になる前の年、昭和53年に二上小学校から発刊されています。それから、伏木中学校では、昭和56年に『名勝 伏木』という書物を発刊しており、非常に細かく調べられております。また、伏木地区小中学校生徒指導協議会の方で『伏木の民話』、別のタイトルは『昔あったとさ』というものが作られております。
 このようにいろいろな本がまとめられておりますが、これは地域の皆さん、あるいは小中学校の生徒に配られたものであって、市民の方々がいつでも本屋で入手できる性質のものではあ りませんでした。そういうことで、まだ調べられていない部分があるし、調べられていることについても、もっと深く調べてみようではないかと、今回、研究会が発足したわけです。
 一方、二上工業高校では、二上山研究会という組織が、10年ほど生徒活動の記録を残しておられます。そういったいろいろな活動の記録を踏まえて、もう一歩踏み込んだ一冊を作ろうではないか。それにつけては、急いで作るのではなくじっくり10年ほどかけて調査をして、その成果に基づいて高岡市民の皆さんがだれでも読みやすい本を一冊作ることにしたらどうかとい う発想で、この研究会が動き出しました。
 これまで、いろいろなことが二上山地域に変化をもたらしてきております。昭和41年に二上山万葉ラインが開通いたしました。それに伴い、観光関係のいろいろな施設が、公営のものも民間のものもどんどんできて、昭和40年代にはこれでは二上山の自然が壊されるのではないかという懸念から、地元の皆さんが中心になって二上山の自然を守る会を組織し、その活動がだんだん市内全域に広がり、今日まで続いています。
 そのほかにも、いろいろと二上山についてのシンポジウムが開催されたり、個別の研究会が活動したりしてきましたが、ここ20年ほどの間は、活動があまり広がりを見せていないのが現状ではないかと思います。そういう意味で、今回の調査研究は市民参加の学術調査であり、ほかにあまり例がないので、どのように進めるかという問題も課題の一つとして抱えています。一般市民の皆さん、そして地元の方々のご協力、ご理解を得ながら二上山について調査を進め、 その成果は地元の皆さん、もちろん高岡市民全体にお返しし、お伝えしていくようにして、運営していきたいと思っております。
 終わりになりましたが、このフォーラムには、二上山に愛着を持つ多くの方々にお越しいただいております。皆さんのご参加を得ながら、これから二上山の研究調査を進めていきたいと思いますので、よろしくご協力の程をお願い申し上げます。開会にあたってのご挨拶にかえさせていただきます。