|

「藤子な人達@高岡」探訪記 > 2.コレクター「石橋正好さん」の巻(その2)
コレクター「石橋正好さん」の巻(その2)
前回に引き続き、藤子まんがのコレクター、石橋正好さんよりご提供いただいた、藤子不二雄両先生に関する貴重な資料をご覧ください。

石橋正好さんが、「夢王国祭」をきっかけとして始められた藤子まんがやグッズ類のコレクションは、その後、順次数を増し、今や、石橋さんは、日本有数の藤子まんがのコレクターとして、藤子ファンの間に知られるようになりました。
石橋さんが特にこだわりをもっているのは、雑誌の付録類で、これらは初掲載後、ほとんど再出版はされていないため、復刻されないままになっています。石橋さんはこれらの幻として埋もれていく作品を掘り起こし、後世に伝えていきたいと考えたのです。
石橋さんの夢は、すばらしい藤子作品のすべてを整理し、読みたい人が確実に読むことができる状況を作りたいということなのです。
初期の作品には、円熟期のようなテクニックは見られないものの、素朴な味わいと、読む人をほのぼのとさせる魅力があり、何度見ても飽きないそうです。
特にデビュー作である「天使のたまちゃん」を発掘し、是非、多くの方々が読めるような状況を作りたいと語られました。
いつの日か、高岡に常設展示場をつくり、収集した作品を多くの人に見ていただきたいというのが石橋さんの夢なのです。
石橋さん、貴重なまんが、グッズを拝見させていただくとともに、熱い思いを語っていただき、本当にありがとうございました。
1.「UTOPIA 最後の世界大戦」
昭和28年8月10日に鶴書房から出版された足塚不二雄名義の最初で最後の書き下ろし処女単行本。現存数は10冊程度、マニアの間では、「幻の本」と言われている。
手塚治虫によって開拓されたといわれるSFタイプのストーリー漫画で、藤子不二雄作品の原点といえる。
「20XX年、第三次世界大戦は、氷素(ひょうそ)爆弾によって終結を迎える。人類同士の醜い争いが終わりユートピアを築き上げるが、再び人類は自らが作り上げたロボット達と争いになる。人類の運命はいかに?」
キャラクターに女性が一人も登場せず、後日、読者から指摘をされ藤子先生がびっくりしたというエピソードも残っている。
2.「三人きょうだいとにんげん砲弾」
昭和27年、秋田書店「漫画王」の12月号に、漫画家として初めての別冊付録として書下ろされた作品。作者名義は、足塚不二雄になっている。
高岡在住時代の執筆であり、安孫子(藤子不二雄 )先生は新聞社に入社し働きながら、藤本(藤子・F・不二雄)先生は製菓会社をやめ漫画に専念していた時期である。
「大金持ちの息子として生まれた、レオン、クラーク、リットルの3人は、いつも兄弟喧嘩が絶えなかった。彼らの父親は年老いており、息子に財産を譲る時がきたと考えていた。そこで、息子たちを3年間の旅に出し、父親の最も喜ぶものを持ち帰った者に財産を譲ることにした。旅に出た3人は、それぞれの道を行き、さまざまな体験をする中で、持ち帰ったものとは?・・・・・」
この本は、現存する中でも、保存状態が特によく、とても51年以上前に発行された本とは思えない程。マニアによって大切に保管されていたものと思われる。
3.「バラとゆびわ」
昭和30年発行の講談社「少女クラブ」お正月増刊号のふろくではあるが、64頁というボリュームがある。前年秋、藤子不二雄両先生はトキワ荘に入居し、他の原稿依頼も殺到していた時期の執筆であった。
原作はサッカレイ。みなしごのベチンダがその悲しい運命に耐え、ついに本当の幸せを得るまでの物語。
「この国では王位の奪い合いがあり、ギグリオ殿下の父は王位を退いていた。バラを持つバルボ王子と、新しい王様の娘でゆびわを持つアンジェリカの結婚により、バラとゆびわは急接近していた。幼い頃に森で拾われアンジェリカの腰元として働くベチンダは、ある日そのゆびわを手にいれてしまい、この国の騒動にまきこまれていく。何故ならベチンダこそ王女にふさわしい人物だったからである。」
上記、「UTOPIA 最後の世界大戦」、「バラとゆびわ」、「三人きょうだいとにんげん砲弾」は、藤子ファンにとって、特に手に入れたい作品で、たいへん価値があると言える。
藤子まんがのルーツ「たかおか」のトップへ
|