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F-1用鍛造ホイール


会社の外観気候も良くなリ、気持ちいいポカポカ陽気。休日には愛車に彼女を乗せてどっかにドライブー♪…なーんて考えながら、車のおしゃれは足元から♪っとタイヤホイールをインターネットで探していると、4本30万円と他とは明らかに値段の違うアルミホイールが…!!!「BBS」と記されたこのホイール。調べてみると、製造しているのはなんと高岡市福田六家にある会社ではないですか〜!なんとこの会社のホイールをF1(フォーミュラ・ワン)レース参加チーム中、約半数のチームが採用しているとのこと!そんなすごい会社、取材しないわけにはいきませ〜〜んっ!!
今回もケイちゃん率いる取材班は、早速ワシマイヤー株式会社さんにお邪魔してきました!
以下、総務部長の木下さんと主事の木藤さんにお話を伺いました。



F-1用のホイールピラミッドの頂点


ケイちゃん(以下「ケ」):F1チームの半数がワシマイヤー製のホイール(BBSブランド)を履いているんですよね!!

高岡にはこんなすごい企業があるんぁー

と声(文字)を大にして全国に伝えたいです!

木下部長(以下「木下」):ありがとうございます。確かにF1ホイールを製造していますが、F1チームへの供給はドイツのBBS社がしていますから、当社は表舞台に出ない存在なんですよ。それとすごい企業と言われますが、ホイールを大量に生産する会社はたくさんありまして、それに比べると、私どもの生産数はほんの少しなんです。
ただ、品質だけは世界でトップであると自負しています。もしも、世界で製造された全てのホイールでピラミッドをつくったとしましょう。すると、その頂点。点のところにうちのホイールがある。そんな最高のホイールを製造し続けようと、日夜頑張っているところです。
ご対応いただいた(奥から)木下さんと木藤さん
:いや〜。そこなんです!F1といえばまさにモータースポーツの頂点!われわれも「ニッポンブランド」というより「セカイブランド」というつもりで、今日はお邪魔させていただいてまして…で、いきなりですが、ワシマイヤー製のホイールと他社製ホイールの最大の違いってなんですか?



パンより餅!?

鋳造組織と鍛造組織
鋳造組織(左)と鍛造組織(右)
100μm(マイクロメートル)は0.1mm

木下:そうですね。「頑ななまでに鍛造」ということでしょうね。世の中のホイールはほとんどが、金型に溶けた金属を流し込む鋳造品(高岡銅器の作り方と同じ)です。私たちが製造しているホイールは、原材料は鋳造材料(ビレット)ですが、それに8000トンものプレスで圧力をかけてつくる鍛造品なんです。鋳造品の例としては鍋やマンホールの蓋、鍛造品の例としては、日本刀や航空機部材などが挙げられますが、我が社が大事にしていることは、パンのように粗い鋳造組織を餅のように"ねばい"鍛造組織に変えて、軽量ですが、緻密で強度の高いホイ−ルにすることです。

世の中にはプレスで押しさえすれば、鍛造組織に変っていなくても「鍛造ホイールだ」と言って販売しているメーカーもあるようですが、私どもは違います。完全に鍛造組織にすることに、頑なにこだわっています。究極なものへのこだわりですかね。現在、さらに大型の9000トンプレス機を設備中ですが、これは20mもの高さの設備になるんですよ。


F-1用ホイール付きタイヤを持ち上げ、その軽さを実感する取材員T氏:キュッ、キュウセントン…しかし広い敷地内とはいえ、ドーンッ!とかプレスする音があまり聞こえてこないですね。何千トンもの圧力だと、さぞ凄い音がするんじゃないかと思うのですが…

木藤主事(以下「木藤」):一般的な機械プレスと違って、油圧式ですからわりと静かですよ。

:なるほど。そ〜なのか!

 


ACQ[Air Craft Quality]=航空機性能

鍛造の瞬間:やはり、相当厳しい品質検査をされるんですよね?
木藤:ええ、ホイールは3次元応力解析をしながら設計・製造されますが、必ず耐久試験をして強度の確認をします。そして満足いかなければ設計し直す。これを繰り返すんです。実際の製造に入っても、完成したホイールを抽出し、耐久試験を実施して強度確認を続けます。確認に次ぐ確認ですね。ですから当社ではたくさんの試験機がいつもフル稼働なんです。
私どものホイールの内部組織を見ますと、鍛流線(メタルフロー)と呼ばれる金属粒子の整然とした配列ができています。このことによって、金属疲労強度が飛躍的に向上し、航空機にも使用できる、極めて耐久強度の高い製品になっています。ですから、私どもの製造するホイールの品質は、まさにACQ[Air Craft Quality]=航空機性能なんですよ。

:おお、なるほど〜。妥協が許されないものづくりですねー。



品質こそ命 

木藤:国が定めた基準(JWL[JAPAN LIGHT ALLOY WHEEL]=経済産業省による乗用車用軽合金ホイールの安全基準)をクリアーすれば、ホイールを販売することはできます。しかしホイールは人命にかかわる重要保安部品ですので、私どもは国が定めた規格よりも数倍高い社内規格を設けています。過剰品質と言われるかもしれませんが、信頼に少しでも傷が付けばBBSブランド品ではなくなりますからね。ほんとうに「品質こそ命」なんですよ。

:(いや〜すごい…"自らに厳しく"という姿勢。見習わなくっちゃ!)



 

最高品質で世界市場へ!

BBSのロゴ木下:私どもはまず、品質管理システムの世界標準規格ISO9001を取得しました。次に、それより数倍厳しく、アメリカのビッグ3(GM、フォード、ダイムラークライスラー)に部品を販売するために不可欠な国際規格QS9000の認証を取得し、ヨーロッパ市場進出に向けて、TS (Technical Specification)16949(さらに厳しい品質システムで日本では100社ぐらいしか取得していない)という規格も取得しました。ヨーロッパの冬は路面の凍結防止に塩化カルシウムを使用するのが一般的なので、必然的に高い耐候性能が求められるんですよ。
さらには、各自動車メーカーがそれぞれ厳しい社内品質規格を持っていますので、それらもクリアーする必要があります。我々は、今ではそれら全ての規格をクリアーして、鍛造ホイールを全世界に販売することができます。このことによって、当社のホイールは他社に比べて値段は高いんですが、品質を認めていただきホイールを購入してくださるお客様を全世界から探すことができるんですよ。

:本当に世界を股に掛ける「高岡発!セカイブランド」って感じー!(感動…)
ところで、ワシマイヤーさんは最初からホイールメーカーだったわけですか?



良いものを作れば売れる! 
           …はじまりは巨大ボビン


巨大な糸巻きビーム木下:当社は33年前に繊維機械用部品を製造する目的で設立されたんですよ。北陸は繊維産業が盛んですからね。北陸の繊維は長繊維(ナイロン、ポリエステルなど)が主体で、短繊維(綿糸、羊毛など)に比べると非常に糸の張力が高いんです。その長繊維をビーム(大きな糸巻きボビン)に巻くんですが、当時のビームはアルミ鋳造製でしたので、糸の張力で割れる恐れがありました。割れないように、強度を上げようとすると非常に重いものになってしまいます。
 そこで、うちはそのビームを鍛造で作ろうと研究したんです。そして苦労の末に軽くて強い鍛造ビームを開発し、更には従来の鋳造品では実現不可能だった直径30インチ(762mm)、40インチ(1m)へと開発を進めましたね。良いものを作れば売れます。当社の鍛造ビームの品質は認められ、どんどん売れていきましたよ。




良いものを作れば売れない? 
           …鍛造製アルミホイールへ

市販用アルミ鍛造ホイール:それがどうしてホイール製造に移っていったんですか?

木下:そうですね、良いものをつくって、売れていったのですが、壊れないので、買い換え需要はありません。ですから、市場に行き渡れば次の受注は少なくなります。先ほどの話とは逆のようですが、良いものをつくっても売れなくなった、というわけです。また日本の繊維産業が下火になったという要因も手伝って、ビームは売れなくなりました。もともと需要が小さかったですからね…。その間、当社はアルミニウムを鍛造するという技術に磨きをかけました。苦しい時期に、他にはマネのできない鍛造技術をつくり上げることができたので、ドイツBBS社に認められ、他の大きなホイールメーカーを差し置いての提携へと進んでいきました。
当時、アルミホイールは鋳造製しかありませんでしたので、当社はBBSデザインのホイールを鍛造でつくることに全力を傾注し、結果BBSブランドの鍛造ホイールを一手に製造するようになりました。

:おぉ〜!世界的企業から白羽の矢が立ったというわけですね!

木下:毎年アメリカのラスベガスで世界最大の自動車部品関係の展示会SEMA-Showが開催されますが、1985年に当社の鍛造ホイ−ルが20,000点以上の中から「技術革新大賞」に選ばれたんですよ。このことは、当社の鍛造ホイールが認められ、世界で販売していけるきっかけになったと思います。ですから、やっぱり「良いものをつくれば売れる」んですよね。

:技術力が世界に認められたんですね!(まるで、プロジェクトXのようだ…またまた感動)
(ちなみに、フェラーリ社とF1用マグネシウム鍛造ホイールの独占契約を交わすきっかけも感動の逸話ですので、一度ご覧下さい。(http://www.bbs-japan.co.jp/about/about_F1.html



オプションが標準に!?

様々な市販用アルミ鍛造ホイールケ:現在、どのような企業にホイールを納入されてるんですか?

木藤:一般乗用車用としては日本の各メーカーの他に、独ポルシェ、英ベントレー、英アストン・マーチン、伊フェラーリ、米フォードなどがあります。でも、私たちのホイールはほとんどが標準装備ではなくオプションなんです。オプションはユーザーに選んでもらって始めて購入してもらえます。通常でしたらオプションは20〜30%というところだと思いますが、私どものホイールは70%以上、ものによっては90%という非常に高い装着率で使用していただいてるんですよ。

●鍛造アルミホイールの利点●
軽量化/真円性が高いのでホイールバランスに優れる/ステアリング性能が向上/ブレーキの利きが良くなる/燃費がアップする(ユーザーの体験による)/加速が良くなる

:そこまできたら、オプションが標準装備のようなものですね。

木下:ええ、そうですね(笑)。



雪の結晶のようなホイール
いろんな模様のホイールは、まるで雪の結晶のよう…
このあと、場内でたくさんのワシマイヤー製のホイールを見させていただきました。このような、世界で活躍する企業が高岡にあることを誇りに感じながら、「いつかは僕もBBS…」と夢見つつ、今はまだ普通のホイールを装着した車でワシマイヤー株式会社さんを後にした取材班なのでした。お忙しい中、取材対応いただきました総務部長の木下さん、主事の木藤さん、どうもありがとうございましたー!




ワシマイヤー株式会社
〒933-0313富山県高岡市福田六家525
TEL0766-31-0021 / FAX0766-31-1403

日本BBS株式会社 ホームページ
http://www.bbs-japan.co.jp/


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