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アロンアルフア

アロンアルフア(一般用)風船に向けてダーツを投げても割れずに刺さってしまう、シーソーがくっついて動かなくなってしまう――。そんなユニークなCM見たことありませんか?

そう、おなじみの『アロンアルフア』(小さい「ァ」じゃないので注意しよう)です!

この『アロンアルフア』(「ァ」に注意)、今や日本中、いや世界中にその名を轟かせていますが、これがなんと、
 ・国内製品は全て
 ・海外製品の原液(主成分)は全て
を高岡で生産しているのです!



東亞合成(株)の入口風景今回はその『アロンアルフア』(「ァ」に注意…くどい?) を製造しておられる東亞合成株式会社さんにお邪魔しています。広大な敷地に沢山のプラントが立ち並んでいますね〜。

応対してくださったのは東亞合成株式会社高岡工場の服部工場次長さん、半澤グループリーダーさん、アロン包装株式会社の花井工場長さんのお三方。



取材風景その1(ケイちゃんが見えないけど…)出だしから…

ケイちゃん(以下「ケ」):まずはアロンアルフアの名前の 由来から教えていただけますか?
服部(以下「服」):"アロン"は鉄腕アトムの妹の…
ケ:え、そうなんですか!?
服:あぁ、あれは"ウラン"ちゃんか。
ケ:え、あ、はぁ…。(一同固まる)
半澤(以下「半」):服部はたまに寒い冗談を言いますので、 気をつけてください。夏でも冷房がいらない位の(笑)
服:冷房代が節約できていいじゃないか、ねぇ。
ケ:あははは、地球に優しい次長さんなんですねぇ(話が…)


本当の由来は?

服:本当は、弓矢の矢を表す"アロー"(英語)に原料である、α―エチルシアノアクリレートの"α"という言葉を文字通り+αして作られた造語です。「矢」はかつての東亞合成の主力製品であった肥料の商標「矢印硫安」に由来し、これに「ナイロン」「テトロン」など商品名に接尾的によく使われていた「ロン」を組み合わせました。前に突き進んでいく、といったものをイメージしています。
ケ:今度は本当なんですね…
服:はい(笑)。ちなみにアメリカではクレイジーグルー(Krazy Glue)という名前で売られています。アロンアルフアだと、アメリカの方々は野菜の"アルファルファ"などと似ていて接着剤をイメージ出来ないとの理由で。またクレイジーは本来"crazy"(狂っている)ですが、とてもくっつきが良いというイメージを与えつつ、頭文字をKにして言葉をかえてあります。
ケ:なるほど〜。


世界のアロンアルフア

服:アロンアルフアは昭和35年から開発に着手し、昭和38年に工業用として売り出したのが最初です。
ケ:最初は工業用だったんですね。
服:はい。その後、釣りをしている知人からもヒントを得て、釣り具用として一般にも販売を開始しました。仕掛けなどを結わえた結び目に1滴たらすと、外れなくていいと好評を得まして。
ケ:現在のシェアはどのくらいなのでしょうか?
服:おおよそ国内が8割、海外が5割弱くらいでしょうか。
ケ:国内シェアの8割を占める製品の全てが高岡工場でのみ生産されていると。
服:はい。海外製品にしましても、主成分であります「シアノアクリレート」は全て高岡で生産し、アメリカと中国の工場に出荷しています。
ケ:つまりアロンアルフアの"モト"は全て高岡産なのですね!
服:そうですね。これをPRして高岡を「接着剤王国」として売り出したいですね(笑)


アロンアルフアいろいろ接着いろいろ

ケ:全てのアロンアルフアの主成分が「シアノアクリレート」だそうですが、色々出ている商品は何が違うのでしょうか。
花井(以下「花」):どの商品を見ても原材料はシアノアク リレート100%と標記されていますが、%で表示しきれないほどの微量成分が、実は接着に大きく関わっ ています。この微量成分の調合によって固まる早さや接着の用途が違ってきますので、調合の技術が一番難 しいですね。
服:これはアロンアルフアではないのですが、工業用の接着剤でシート状になっているものがあります。紫外線を照射すると固まるもの(光硬化型樹脂)で、自動車 のオイルフィルターやICカードの接着などに使われています。


取材風景その2いちばんくっつきやすいものって!?

ケ:アロンアルフアは一般的に「何にでもくっつく」というイメージがありますが。
花:何にでもくっつくという訳ではありません。シリコン樹脂、フッ素樹脂、貴金属には接着しません。その他、ポリエチレンやポリプロピレンといったオレフィン系の樹脂やシリコンゴムは、前処理をしないと接着できません。
ケ:反対に一番くっつきやすいものは何ですか?
服:鉄や銅、合成ゴム、木材、それから硬質塩ビなどの樹脂は接着しやすいですね。あと、自信を持って言うようなことではないのですが、皮膚 は接着し易いです。

ケ:!!

服:接着には適度な水分が必要(重合(じゅうごう)を開始させる触媒として)ですが、人の皮膚は適度な水分量がありますし、汗の中に含まれる尿素は、接着剤の硬化を促進します。
ケ:それで手にくっつくとすぐに固まって取れなくなっちゃうんですね。
服:医療用のアロンアルフアがありまして、手術の縫合の代わりとして使われたりもしていますよ。
ケ:それはすごいですね。…でも人体には影響ないのですか?
服:全く影響ありませんね。接着剤は固まってしまえば他の物質と混ざったり反応したりすることはありませんので。
半:間違って手などにくっついてしまった場合は、ぬるま湯につけてゆっくり時間をかけて少しずつはがすか、「はがし隊」としても売り出しています剥離剤(はくりざい)を利用してください。「はがし隊」はホームセンターなどで手に入りますので。ただ、接着剤を取り除いた後、皮膚が少しカサカサすることもありますので、除去後は石鹸で手を洗い、ハンドクリームなどでケアして下さい。


取材風景その3ちょっといい話

ケ:アロンアルフアを使ったちょっとしたテクニックなどはありますか?
服:塗装した金属などに小石が当たったりして出来た小さなキズなどは、アロンアルフアを1滴たらすと、コーティング剤の働きをしてサビ止めとして使えますね。
半:ホームページの「用途例セレクション」にもありますが、床のきしみやストッキングにキズがついた際の伝線を防ぐ効果もありますね。
服:他にもいくつか報告例はあるのですが…制度上認められていない使用法なので、ちょっと教えるわけにはいきませんねぇ(笑)
ケ:アロンアルフアと言えば、歴代のCMのイメージが強烈ですが、何か制作秘話などご存知ですか?
服:よく、「本当にあんなことができるのですか」というご質問を受けるのですが…とにかく全て「やらせなし」です。もちろん、接着が巧くいくように、技術者が細心の注意を払ってやっています。十分な安全対策を施す必要がありますので、マネはしないでください。
半:テレビ番組で実際に検証するコーナーがあり、ウィリーしたバイクがポールにくっつくというCMを再現していましたしね。去年東京で夏休みの子供相手のイベントがあり、回転中のコマをアロンアルフアで瞬間停止させるという数年前のCMの実演をしたのですが、子供達より、TVCMを実際に見たことがある親御さん達から歓声が上がっていたようです。
服:裏話といえば、ダーツを投げて風船に当てるというCMですが、あれは「投げた」のではなく、上から「落とした」んですよ。
ケ:確かにまっすぐ刺さっていましたしね…って、それは言っても大丈夫なんですか?
服:えっ、まあ時効でしょ(笑)


※ なつかしのCM、用途例はこちらをチェック!(http://www.toagosei.co.jp/aron


そのほかの高岡ブランド

ケ:アロンアルフア以外で、高岡工場で生産しているものを教えてください。
服:工業用の接着剤でシート状にしているものがあります。熱をかけると接着できるもので、ICカードの接着などに使われています。その他、紫外線や可視光を与えると固まる接着剤や、酸素がなくなると固まる接着剤なども製造しています。
接着剤以外では、苛性カリを原料として、重炭酸カリを製造していて、国内ではこの工場だけで製造しています。主に、肥料や土質安定剤の原料としています。
また、ピロリン酸カリも国内唯一の製造工場で、ハム、ソーセージの結着剤、保湿剤や、メッキなどの用途に使われています。
変わったところでは、重炭酸カリウムを使った"環境適合型農薬"カリグリーンを製造しています。カリウムは肥料の3要素(窒素、リン酸、カリ)にもなっているように、土壌には必要な物質です。これを殺菌剤として加工しています。ぶどう、イチゴといった果樹に多く使われています。"環境適合型農薬"としては、カリグリーン以外に殺ダニ剤としてアカリタッチを製造しています。

品 名
内 容
備 考
カリグリーン うどん粉病の殺菌剤 カリ肥料の効果も
アカリタッチ 殺ダニ剤 アカリはギリシャ語で"ダニ"のこと
重炭酸カリ 肥料、土質安定剤 国内では高岡工場のみ
ピロリン酸カリ 結着剤、メッキ剤 国内では高岡工場のみ

ケ:環境にも優しいというのはポイント高いですね。


商品自体のユニークさもさることながら、応対してくださった方々も楽しい方ばかり。"面白い商品の周りには面白い人がいる"といったところでしょうか。
皆さんもスーパーやコンビニなど、色々なところでアロンアルフアを見かけたら、「これって高岡だけでしか作ってないんだって〜」と、友人知人に紹介してあげてくださいね!


東亞合成株式会社高岡工場
〒933-0195 富山県高岡市伏木二丁目1番3号
TEL 0766-44-7401 / FAX 0766-44-7410
http://www.toagosei.co.jp/


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