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鉄道分岐器〜無数のレールを左へ右へ〜列車の安全と快適性を追求する


今回ケイちゃんが取材にお伺いしたのは、JR福岡駅のすぐそばにある鉄道機器株式会社さんです。
鉄道機器・・・レール?電車? うーん・・・一体何をつくってるんだろう?

会社に足を踏み入れてみると、お、何か運んでいる!あ、あれは鉄道のレールだ!そうかレールを作ってる会社かぁ。
早速、会社の方に話を伺ってみよう。

事務所にお邪魔すると、酒井副工場長さん(以下「酒」)内潟総務課長(以下「内」)さんが笑顔で出迎えてくれました。

鉄道機器株式会社の入口の写真

ぶんきき?ポイント???

ケイちゃん(以下「ケ」):よろしくお願いします。
早速ですが、レールを運んでいるのがさっき見えました。鉄道のレールを作っておられるんですか。

酒:いえ、レールは製品の材料の1つです。うちでは鉄道の「分岐器(ぶんきき)」を作ってるんです。レールは新日本製鉄さんやJFEさんから購入しています。購入したレールを削成したり、曲げたり、穴を空けたり加工して、年間3,000トン〜4,000トンのレールを使用しています。

ケ: 分岐器???映画とかで見る手でレバーを動かして電車の進路を変えるポイント」のことですか。

酒:正確には、分岐器のうち、進路を転換する部分のことをポイントとよんでいます。でも、一般的には分岐器全体のことをポイントとよんでいますね。
  おっしゃるとおり、確かに昔は手で切替えていたんですが、今は電気信号で切替えるんです。高岡駅のポイントの切替えは、現在は東金沢駅の管制所で一括で行われています。

ケ:本社は東京にあると聞きましたが。

内:そうです、大正3年の創業で、前身は月島電機工作所という会社だったんですが、太平洋戦争中、空襲が激しくなったため、当時、東京の砂町にあった工場を疎開しようということなりました。前社長が高岡市中田の出身だったので、北陸線沿線の土地が候補地になり、この福岡町に移転したんです。現在は、約80人の従業員で、設計、製作、販売を行っています。JR各社さん、公営鉄道(地下鉄)さん、全国の私鉄さんなど、北海道から九州まで日本中のお客様と取り引きしています。また県内では、万葉線、富山地方鉄道、黒部峡谷鉄道、富山ライトレールさんにも製品を納入しています。



レールを削る機械の写真
【この機械でレールを削ります】

レールの削りかすの写真
【大量のレールの削りかす!カンナで削ったみたいに丸まってます】

ケ:取引先が日本全国ということですが、分岐器はこの工場でつくって、そのまま輸送するんですか。

内:そうです。この工場で作って(組み立てて)出荷するのです。分岐器は大きすぎて、組み立てたままでは輸送できません。一度、この工場で、分岐器を完全に組み立ててから、プラモデルのように、枕木の順番やボルトなどの据付位置をマーキングします。これは、私達は現場で分岐器の据え付けはしませんので、取り引き先が正しく据え付けできるようにするためです。完成後、検査をして、各部品にマーキングした後、これを(再度)分解して、原則としてトラックで輸送します。

ケ:一度、つくった製品をまたバラバラに・・・、なんだかもったいない気がしますね。

酒:外国では、作ったものをそのまま貨車で輸送する場合もあるようですが、日本では、線路の側に建物がせまっていることもあり難しいですね。

組み立てした分岐器の写真
【広い工場内で組み立てられた分岐器】

マーキングしたレールの写真
【一度組み立てた後、再度分解されたレール。現地で組み立てられるようマーキングしてあります】

安全第一!!

ケ:鉄道機器株式会社さんのように、分岐器を作っている会社は多いんですか?

酒:日本国内に同業社は8社あります。日本では長い間かかって14社から8社に集約されました。諸外国では、数社という国が多いようです。

酒:分岐器には、2,000〜3,000点の部品があります。この中には大正の時代に設計されたものも含まれています。古い部品であっても全国の鉄道で実際に使用されている以上、部品の交換等が必要なので、製造を中止することはできません。古い設計のものを、今つくろうとするとコストがかかるんですけどね(笑)。新しいものが次々と開発されるので、部品の種類は増える一方なんです。

ケ:なるほど、人の安全に関わることだから、昔の部品だからといっておろそかにはできないんですね。

副工場長の写真

酒:製品が、分岐器という特殊な品物ですので、全国にPRするといったものでもなく、多くつくってどんどん買ってくださいといったものでもないんです。そういった意味では、分岐器製造は成長産業ではないですね(笑)。逆に近年では路線の廃線が多く需要が少なくなっているくらいです。でも、運転保安上、極めて重要な物品、とりわけ、人の安全に関わる製品という意味で、仲介業者は通さずに99%直接お客さんである鉄道会社さんと心通じた取り引きをしています。昔から、部品の注文の時は、部品を1つだけ紙に包んでお渡しするなんていうこともあるんですよ。昔の分岐器と比べると、使用する部品や切替方法が少しずつ変わってきましたが、分岐器本来の役割である、「右から左へ、左から右へ」という基本となる水平動作は今も変わらないですね。

分岐器の部品の写真 分岐器の部品の写真

分岐器の部品の写真

【分岐器に使用される部品】

ケ:新幹線にも分岐器は使われているんですか?

内:駅付近で分岐するのに使用されています。ただ、駅の数が少ないため、ポイントの数も在来線に比べると少ないですね。新幹線と在来線の違いは、軌間(レールの内側の幅)の幅が違うんです。1435mmが標準軌といって、新幹線がこれにあたります。一方、在来線は狭軌と呼ばれ、幅は1067mmしかありません。

ケ:中途半端な長さなんですね。

酒:元々、イギリスから鉄道を導入したため、イギリスの長さの単位で製造されていたためです。

(※1,435mmは4フィート8 1 インチ、1,067mmは3フィート6インチ)
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新しい時代へ!? 〜軌間変換装置〜

酒:新幹線と在来線の話がでましたが、「軌間変換装置」というものも製作しています。お話したように新幹線と在来線の軌間は異なります。ですからそのままでは、新幹線は在来線の軌道を走れませんし、その逆も同じです。これを可能にしようというのが軌間変換装置です。まだ実用にはなっていませんが、現在実験中です。

ケ:でもレールの幅を変えても車輪の幅は変わらないんじゃないんですか。

軌間変換装置の写真

酒:そう、この装置は、「装置」の上で車両を浮かせ、浮かせた時に車両の車輪の幅を変えるものです。ですから、当然車輪の幅が変わらないと意味がありません。そのため、この装置は、車両も通常の車両ではなく、車輪の幅を変えられる車両でないといけないんです。

ケ:両方の軌道を走れるようになれば、乗り換えをしなくてもよくなるんですね。早く実用化されてほしいですね。

 

内:電車に乗っていると、カタン、カタンと振動する箇所があると思いますが、これはレールの継ぎ目があるからです。通常はレールとレールの間を6mm程度空けておき、この間を継目板でつなぎ、熱による伸縮に対応できるようにしています。この音を避けるため、ロングレール化という方法もあります。これは、25mのレールを16mm程度ずつ空けたうえで、レールを溶接してつなぎ、1km程度の長さの1本のレールにします。そして、そのレールの両端に熱による伸縮に対応するため、「伸縮継目」というものを敷設し、継ぎ目のない乗り心地のよいレールができるんです。

ケ:ール自体にも工夫がされてるなんて、全然知りませんでした。普段何気なく電車に乗ってるけど、全く気が付かなかったです。

枕木の写真 【枕木。木製に見えますが、実はガラス繊維で作られているとのこと】

手動切り替え式の分岐器の模型の写真
【昔の手で操作する分岐器の模型。操作すると本当にポイントが切り替わるんです!】

酒井副工場長さん、内潟総務課長さんを始め鉄道機器株式会社のみなさん、ご協力ありがとうございました!

取材を終えて、鉄道機器株式会社さんをあとにするケイちゃん。むしょうに電車に乗りたくなりました。
「福岡駅も近いし電車で帰ろう! あ、今日は車で来たんだった・・・。」



鉄道機器株式会社 富山工場
〒939-0116 高岡市福岡町下蓑1151
TEL0766-64-3061 / FAX0766-64-2067


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