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真鍮の風鈴・照明


能作の記事がこんなに!『Pen』
『日経デザイン』
『コンフォルト』
『和楽』

など有名なデザイン系雑誌に、ここ一年ほどの間、立て続けに高岡銅器(銅合金鋳物)の製品が紹介されているではありませんか!その誌面には「(株)能作(のうさく)」の文字が!

どこじゃ〜(失礼)!

われら「高岡発!ニッポンブランド」調査団としては、取材させていただかない手はありませ〜ん!



株式会社能作の外観早速、株式会社能作さんにお邪魔し、社長の能作克治さんにお話を伺いましたー。

ケイちゃん(以下「ケ」):よろしくお願いいたしまーす。能作さんの商品がいろんなデザイン雑誌で紹介されているのを拝見しまして、「これ、おわっちゃん町のドーキっちゅーがで、出来とんがいぜー」と誇らしく思いましたっ!本当にありがとうございます(勝手に感謝…)!

能作社長(以下「能」):いえいえ、こちらこそありがとうございます。最近取り上げていただくことがよくありまして、ありがたいことです。うちは下請けメーカーなんで、今までは市場が見えていなかったんですが、いろいろと消費者のご意見も聞かせていただけますんでとても勉強になります。

:東京の大手デパートなどでも扱われているそうですが、きっかけは何だったんですか?



社長の能作さん能作 meets デザイン

:高岡市デザイン・工芸センター主催の研究会に参加したのがきっかけだったんです。
その時、デザインコーディネーターの立川裕大さんが、イタリアのALESSI社のステンレスボウルを参考に持ってこられたんです。

それを見たときはちょっと驚きました。
うちでやってる製品とかわらない』と。

それで次回にはうちでやっている旋盤(金属を回転させて削る機械)をかけたまんまの真鍮の建水(茶道具の一つ)を持って行ったんですよ。そしたら、真鍮の質感そのままの建水を見て立川さんは、「ALESSIに負けない美しい形だ」っておっしゃいまして。その後、うちの製品を東京で展示してみないかとお話しをいただいたんです。
2001年のお盆になりますが、原宿のバージョンギャラリーというところで、「鈴・林・燐−能作の鋳器−」という単独の展示会をさせていただくことになりました。

:へー。そうなんですね。どんな商品を展示されたんですか?

:昔からの定番商品である「そろり」型と呼ばれる花器や、建水、新たにデザインした卓上ベルなどですね。すべて旋盤をかけたままの金色の状態です。

東京原宿で開催された展示会の風景
卓上ベル
東京原宿で開催された展示会の風景
卓上ベル

:反響はどうでしたか?



ピッカピカ より サッラサラ

:いや、驚いたのは、中には真鍮の磨いた状態を見るのが始めてという方がおられて、非常に新鮮だったというご意見を沢山いただきましたね。

あと会場アンケートで、鏡面仕上げ(顔が映り込むほど磨きあげる)とヘアライン仕上げ(髪の毛ほどの細い磨き線が表面に平行に入っている)のどちらが好きかを聞いたんですが、結果はヘアライン仕上げのほうが格段に多かったですね。鏡面仕上げは『仏具みたい』と少し抵抗感があるみたいなんです。

:なるほど。そうかもしれません。

:それから、その展示会を機会に、全国展開の雑貨店「フランフラン」の和モノショップ「J.(ジェイピリオド)」(http://www.j-period.com/)で花器・卓上ベルなどの真鍮製品を扱っていただくことになったんです。

:わー。凄いですね!「フランフラン」といえば若い女の子がいつも群がってるお店ですよ。県内にはありませんが(シュン…)。

:でも最初はほとんど売れませんでしたよ。

:えっ。今、風鈴はかなり好評だと聞きましたが。最初はだめだったんですか?


金属でも驚くほど自然の風景とマッチしている風鈴真鍮の風鈴 誕生

:最初、風鈴はアイテムに無かったんです。昨年あるショップのバイヤーさんが卓上ベルをご覧になって「これ風鈴にしましょうよ」っておっしゃいまして。それがきっかけです。

確かに日本の家庭で卓上ベル使う家って少ないですよね。旦那さんがこれ使って奥さん呼んだら、だいたいパンチが飛んできますもん。

:(ちょっと想像してみる)…そ、そうですね(汗)

:実際卓上ベルは売れなかったんですが、風鈴にしたところ、おかげさまで大変好評をいただいております。

:風鈴は銀座の松屋デパートの「デザインコレクション」をはじめ、大手百貨店などでのデザイナーズコレクションのようなコーナーで紹介されていますよね。風鈴と社長さんの名前が、柳宗理、森正洋など大御所デザイナーと一緒に紹介されていたのでビックリしました。すげーよって。「これ、おわっちゃん町のドーキっちゅー(…以下省略)」。

:いやいや。なんだかお恥ずかしいんですが…松屋での売上もまずまずでして。感謝しております。

ちり〜〜〜〜〜〜ん。(ケイちゃん窓辺に吊るしてあったサンプル品をおもむろに叩く。)

:涼しげでなんとも柔らか〜上品な音色ですね〜。

:その音色も思考錯誤がありましたよ。形によっても音色が違いますが、厚みを調整するのが大変でした。厚いと音が高いんですが、薄くしすぎると低くくなってしまう。一番涼しげで、安らぐ音程ってどのくらいだろう?といろいろ試して、今のに落ち着いたんです。

オニオン
スリム
ホルン
真鍮風鈴〈左からオニオン(銀メッキ)、スリム、ホルン(銅メッキ)〉


裸で勝負!

:そのほかに、能作さんでは、照明などの商品も作られたとお聞きしましたが。おー凄いピカピカ!これも鋳物(鋳造)ですか?

:ええ。そうですよ。これは、古いホテルをリメイクして話題になった、

  東京・目黒のホテル「クラスカ」(http://www.claska.com/

ホテル「クラスカ」の照明に納めたんです。最近では六本木ヒルズに入ったお店にも納めました。

(左図のように)着色をせずに削りっぱなし、生地のまま出荷するというのは、うちら製造元にとって裸のまま出すということなんです。ピンホール(流し込んだ金属にガスやゴミが含有されてできた小さな穴)なんかがあればすぐにバレてしまう。その分鋳造技術が必要になってくるんですよ。

:なるほど。真鍮の金色そのままの製品は、高い技術力の証し、自信の現れでもあるわけですね。

:そういうことになりますかね。


錫製の器不思議な金属「錫(すず)」

:そのほか錫を使った器も作っておられますよね。

:ええ。おかげさまで好評を得ている真鍮の生地そのままの製品ですが、いろんな方々のご意見を聞きますと、金色に対する抵抗感というのがあることも分りました。そんなこともあって、高岡ではあまりやっていなかった錫の鋳造に取り組んだんです。錫は銀色というだけでなくて、銅合金と違ったいろんな特性がある、ちょっと変った金属なんですよ。ほら。

ピキ。ピキピキ。(錫製の片口を手で変形させる能作さん。)

:のあ〜っ!こんな簡単に曲がっちゃうんですかー?折れたりしないんですか?

:ええ(笑)。ある程度自由に変形できちゃうんですが、何回やっても折れてしまうことはまずありません。この音(ピキピキ)は海外ではティン・クライ(錫鳴き)と言うそうですよ。また、錫は抗菌作用がありますから、食器などにも使われます。錫の花器だと水が腐りにくく花が長持ちするとか、ほんと不思議な金属です。

錫製のスプーン。手の形に合うよう形をかえられる優れモノ:最近、錫製のスプーンを開発されたとか。

:そうなんです。まだ途中ですが、錫の変形自在な特性を利用したユニバーサルデザイン(あらゆる人に=健常者にも身障者にも使いやすいデザイン)商品なんです。商品化に向けた調査のためにと、市内のこまどり養護学校や市民病院で使っていただいてまして、今後、意見をもらって、改良を加えていく予定です。

:そーかー。しかし能作さんは次々といろんなことにチャレンジされていますよね。ほんと敬服・感心いたします。


社長の熱心な語り口に感心しきりのスタッフ小回りの効くメタルシティー

:そうですか。ありがとうございます。もともとうちのモットーは「多品種少量生産」でして、小回りが効くことが身上ですから。休みも無いですが、その代わりにデザイナーの方とのコラボレーションやら、現在もいろいろとチャンスをいただいています。

:なるほど。消費者の趣向が多様化している昨今の雑貨市場では、メガトン級の需要はもはや望むべくも無いでしょうから、そういった小回りの効いた生産体制こそ、中小の製造現場の目指すべきスタイルなのかもしれませんね。

:高岡って、そもそも小回りが効くんですよ。中小の町工場が集積している東京の大田区とか、東大阪は有名ですが、高岡も凄いんです。金属で何か作りたいというときにできないことは無いっていう感じで、全部高岡でできてしまう。案外それを地元の人も知らないんですよね。

:うーん。確かに「銅器生産量日本一!」とか良く聞きますが、実際どんなことができるのかとか分りませんね。未知の世界で。

:高岡市のキャッチフレーズも「メタルシティーたかおか」とか、どうですか?

:わお!なるほど。サイバーな感じで良いかもですね。


今回は、能作さんで、真鋳や錫を使った新しい商品をみせてもらいました。伝統の技があるから、産地としての生産能力があるから新しいデザインにもすぐに対応できる。『高岡銅器』って響きになんだか新しさを感じた一日でした。


株式会社能作
〒939-1118 富山県高岡市戸出栄町46-1 (高岡銅器団地内)
TEL0766-63-5080 / FAX0766-63-5510
http://www.nousaku.co.jp

デザイン・ショップ SA-KU(株\作のアンテナショップ)
〒933-0903 富山県高岡市熊野町1-28(国道8号線沿い)
TEL0766-21-7007 / FAX0766-21-7007
営業時間 11:00〜18:00〔月・火曜定休〕


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