| |
|
葉:
|
「さ、『とこなつ』食べて、元気も出たし、次の店に行くわよっ!」
|
 |
|
集:
|
「次はどこ〜?何のお店〜?」
(てくてくてく) |
|
葉:
|
「ここよ。棚田保寿堂さん。薬屋さんよ。」 |
|
集:
|
「ほぇ〜。大野屋さんのお隣さんなんだぁ。」(上を見上げる集)
「見て見て!!おっきな看板!!・・・えっと、なんとか薬??」 |
|
葉:
|
「バカねぇ。これは昔の看板だから、右側から読むの。よく分からないけど、『薬肆』ってのは、薬屋さんってことじゃないのかしら?まあ、とにかくお店の方に聞きましょ!」
|
|
葉&集:
|
「ごめんくださーい!!」 |
|
棚田保寿堂代表取締役・棚田孝史さん
(以下、棚)
|
| |
「はい、いらっしゃい。」 |
|
|
葉:
|
「あの、わたしたち、勉強のために歴史ある老舗を訪ねてるんです。お話聞かせてもらってもいいですか?」 |
|
|
棚:
|
「はいはい。もちろん、いいよ。」 |
|
|
|
あそこに創業200年って書いてあるけど、ホントぉ? |
|
葉:
|
「なんて失礼なことを!すみません、不出来な弟で(集をたたく)」 |
 |
|
集:
|
「痛ぁい(泣)」 |
|
棚:
|
「いやいや、あれは本当だよ。うちは創業享和3年(1803)だからねぇ、今年で203年になるよ。」 |
|
葉:
|
「すごぉーい!203年なんて!!じゃあ、棚田さんは今何代目にあたるんですか?」 |
|
棚:
|
「私は8代目だね。まあ、でも親父が7代目だって言ってたから、8代目なんだと思うよ(笑)」 |
|
|
創業者の方について教えてください! |
|
棚:
|
「それがねぇ、詳しくは分からないんだよ。なんせ、明治の大火で焼けちゃったからねぇ。ただ、私の知る限りで言うと、先祖は大門(今の射水市)の二口にいたそうだよ。それから、高岡へ出てきて、大きな店に奉公に入ったんだとさ。そこで、しばらく働いていたんだけど、薬の仕事を始めようと大阪の道修町(どしょうまち)へ行くことにしたんだ。車も電車もない時代、歩いて大阪まで行ったそうさ。」 |
 |
|
集:
|
「どうして、そんな遠くに??」 |
|
棚:
|
「道修町は当時から、薬の町として有名だったんだ。そこで、うちの先祖は西洋薬を仕入れてきて、商売を始めたんだが、それが主人に認められてな、のれん分けを許されたんだよ。で、若くして独立したんだ。」 |
|
葉:
|
「当時って西洋薬って、まだ珍しい時代ですよね?先見の目もあり、商売上手だったんですね。(メモメモ)」 |
|
集:
|
集「ところで、初代の方のお名前はなんと言うんですかぁ?」 |
|
棚:
|
「棚田喜兵っていうんだよ。そのあとはちょっと分からんが、5代目からは喜作を名乗ってるね。うちのじいさんもそうだし、親父もね。いわゆる襲名ってやつだよ。」 |
|
|
集:
|
「じゃあ、棚田さんも襲名するの?」 |
|
|
棚:
|
「うーん、それが迷ってるんだよね。わざわざ名前変えるのもねぇ・・・。しばらくは保留だよ。」 |
|
|
|
棚田屋さんには珍しい看板がいっぱい〜。看板の話とか聞きたいな。 |
|
葉:
|
「あたしもさっきから気になってたの。あっちの壁にかかっている書は、『保寿』と書かれてますよね?お店の『棚田保寿堂』もここから取られたのですか?」 |


|
|
棚:
|
「そうそう。昔はうちは棚田屋だったんだ。でも、『一タ(イッタ)』さんって呼ばれることの方が多かったかな。高岡で一番の薬屋の棚田屋ってことで、『一タ(イッタ)』。そういう風に呼ばれてたんだ。けど、この書が見つかってね、よくよく調べたら日本の幕末の三舟と呼ばれる中の一人、高橋泥舟の作品だって分かったんだよね。それに書かれてる文字も『保寿』――『寿(しあわせ)を保つ』って意味だし、うちの仕事にぴったりだと思ってつけたんだよ。」 |
|
葉:
|
「なるほど〜。人々の健康を守る薬屋さんにはぴったりな名前ですよね。」 |
|
集:
|
「あ、そうだ!!表の大きな看板!あれはなんて書いてあるの?」 |
|
葉:
|
「あたしも気になってたの!すごく立派な看板ですよね!」 |
|
棚:
|
「あー、あれね。目立つでしょ?けっこう観光客の人たちも聞きに来るんだよ。『あの文字、なんて書いてあるんですか?』ってね。多いときなんか、20人くらい聞きにきた日もあったよ。あれはね、『薬肆』って書いて『薬店』って言う意味なんだよ。『肆』って漢字には、店という意味のほかに、『きまま』とか『ならべる』って言う意味もあって、単なる薬店じゃなく、何でも売る店って感じでもあるんだよ。」 |
|
葉:
|
「へぇー。そういう意味も込められていたのね。」 |
|
棚:
|
「これは自慢なんだけど、実はあの看板、一枚板で出来てるんだ。しかも、なかなかない白い部分を使った特注だよ。で、あの文字はね、隣のはんこ屋さんに彫ってもらったんだ。最初は、『わしはいつも小さいはんこを彫ってるが、こんなでかいのに彫るなんて無理だ。』っていうのを説得して彫ってもらったそうだ。そしたら、あんな立派な看板を彫れるなんてってことで、隣のはんこ屋は大繁盛。けれども、うちはさっぱりさ(笑)」 |
|
集:
|
「あははっ!はんこ屋さんにおいしいとこ持ってかれちゃったね〜、おじさん!」 |
|
葉:
|
「コラッ!(集をたたく)。それは残念でしたね〜(苦笑)」
「そういえば、あちらに『特約店』って書かれた看板がありましたけど、あれは何ですか?」 |
|
棚:
|
「あれはね、製薬会社が小売店に『あなたの店だけで売ってもいいですよ』ってことを表わす証明書みたいなもんさ。うちにはけっこういっぱいあったんだけど、場所もとるし、けっこう捨てられてしまったみたいだな。今となったら、なかなかない代物だよ。」 |
|
|
ところで、棚田さんはなぜ、この仕事を引き継ごうと思ったんですか? |
|
棚:
|
「やっぱり、代々薬屋をやってきた誇りがあるからかな。社会のために、人々の健康のためになる仕事だしね。」 |
 |
|
集:
|
「おじさん、偉―い!!」 |
|
葉:
|
「コラッ!!また失礼なことを!!(集をつねる)」 |
|
集:
|
「イタタッ・・・」 |
|
棚:
|
「けど、今はようやく医薬分業とか叫ばれるようになったが、昔は薬屋は厳しかったよ。石鹸やたわしなんかも売らないとやってけなかったからね。」 |
|
|
では、最後に、高岡のまちに対して一言お願いします! |
|
棚:
|
「高岡のまちも最近は山町筋などに、たくさんの観光客が来るようになったよ。けれども、観光する点で重要なお土産屋や飲食店が少なすぎると思うね。せっかく観光するところがいっぱいあるのに、これはもったいないよ。それと、名産品、目玉になるようなものが必要だね。高岡は魅力あるまちなんだから、みんなで知恵を出し合って考えていかないといけないね。」 |
 |
|
葉&集:
|
「大変勉強になるお話が聞けました。今日はどうもありがとうございました。」 |
|
棚:
|
「また、聞きたいことがあったら、いつでもおいで〜。」 |
|
|
|
|
 |
| |
|
|
|
葉:
|
「うーむ、老舗の勉強だけじゃなく、今の高岡の現状にも詳しく語ってくださって、大変参考になったわ。老舗を守るには苦労もたくさんある。でも、誇りを持って仕事をしてらっしゃる姿が素晴らしかったわ。」 |
|
集:
|
「僕難しくてあんまりわかんなかったー。あは☆」 |
|
葉:
|
「もうっ、あんたはー!もっとしっかりしてよねー!!」 |
|
|
|
|
 |
| |
|
|
 |
 |
| 「APOTHEKE 」について。元来ギリシア語なんだけど、後からラテン語にも入っているんだって。 ギリシア語の元来の意味は「倉庫」。ラテン語に入ってから「店」とか「薬屋」の意味ができてるみたい。ちなみにドイツ語では「薬屋」の意味なんだとか。みんなお勉強になったでしょ? |
| |
|
 |
| 棚田さんはとってもきさくなおじさんだよ〜。お薬のことで困ったら、ぜひ棚田保寿堂へ。ちょっとレトロなお店で、おじさんにじっくり相談に乗ってもらったらどぉ? |
|
|
棚田保寿堂
住所:富山県高岡市木舟町13
電話番号: 0766-22-0013
営業時間: 8:00〜20:00
定休日: 日曜日・祝日・臨時休業日
|
 |
|
|
|