明治5年(1872年)、久しぶりに郷里の伏木に戻ってきた能三は、ふるさとの港を見て、大きなショックを受けました。近代的な汽船でにぎわう神戸港を見てきた能三にとって、昔ながらの和船しか入港できない伏木の港は、さびしく取り残されるように思えたのです。
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| 能三: |
あぁ、このままでは伏木は新しい時代に乗り遅れてしまう・・・。あの神戸港のようなにぎわいを伏木にも・・・。そうだ!汽船も入港できるような伏木港を造ろう!!そうすれば、貿易も盛んになり、村も活気付くはずだ!! |
−能三はさっそく、村の人々に汽船が入れる伏木港の開港を訴えました−
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| 能三: |
汽船が入るようになれば、今までよりずっと早く貿易もできるんだ!そうすれば、会社や工場も出来て、この伏木にも新しい時代がやってくると思うんだ!! |
| 村人A: |
汽船が入れるようになんて・・・まず、その港を造るのに莫大な費用もかかるし、夢のような話だな。 |
| 廻船問屋: |
おいおい、そんなことしたら、わしらの仕事がなくなっちまうじゃないか! |
| 村人B: |
おーい、みんな、こんなやつの話なんて聞いててもしょうがねぇや。帰ろう、帰ろう! |
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−しかし、能三の思いは村の人には、まったく理解されず、相手にされませんでした−
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| 能三: |
みんな、もっと伏木の将来を考えないといけないのに・・・。なぜ、分かってくれないんだろう・・・。 |
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−途方にくれ、ぼんやり港を見つめる能三の目に、ある光景が映りました−
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| 漁師の母: |
こらっ!伏太郎、伏次郎!!また、こんなとこで遊んで!父ちゃんも母ちゃんも仕事が忙しいんだから、手伝いなさい! |
| 伏次郎: |
・・・はーい。はぁ、もっと遊びたいなぁ・・・ |
| 伏太郎: |
うん、でもうちは貧しいから、しょうがないよ。さ、行くぞ。 |
| 能三: |
遊びたいのに、家の手伝いか。えらい子たちだ。・・・ん!そうか!子どもたちだ!!これからの時代を生きていくのは彼らなんだ!! |